【質問】屋根の断熱性能と日射遮蔽について

この記事を書いている人 - WRITER -

こんにちは、クオホーム本田です。

今回は、ご質問にお答えしていきたいと思います。

 

【質問】

Q&A 動画を拝見させていただいております。現在、工務店さんと断熱仕様の決定で悩んでいます。

標準仕様では、アクアフォームの壁75mm屋根80mmです。

しかし、私はQ値C値を1以下、1階2階にエアコンを各1台ずつで、夏・冬共に快適に過ごせる家づくりにして欲しいと要望しました。

 

家の延床は1・2階で33坪小屋裏6畳。

 

提案された仕様は

アクアフォーム壁90mm屋根160mm(屋根は板状のフォームを40mm足す)

窓を樹脂ペアガラスからトリプルに変更

気密施工にしてトータル予算が300万ほどアップでした。

 

予算的に断念し、その後、住宅会社からCW断熱を勧められ、

6地域仕様UA値0.87で、50万アップ。

ZEH仕様UA値0.58で、100万アップ という提案でした。

CW断熱の家はOBさんのところに伺い、まあ快適とのことでした。

 

そこで、質問になりますが夏についての断熱性能がよくても輻射熱により家の中は暑いと聞きます。小屋裏についても暑くていられないと言われています。

ここのQ&Aの中にあったアクアフォームneoにも興味をもっているのですが、夏の輻射熱に対して、費用対効果の高い方法がありましたら、ご教示ください。

私のお願いしている工務店さんは自然素材の家になります。

ただ、クオホームさんに比べると施工精度は落ちると思いますが、何卒よろしくお願いいたします

 

というご質問をいただきました。

 

 

 

 

何にこだわった施工会社か?

 

まず、標準仕様のアクアフォームが75mm、屋根が80mmになっていますので、気密施工などの性能部分に関しては、そんなにこだわっている会社ではないのかなという事が、ここの時点で見てとれます。こちらの工務店さんは、そこが売りじゃないので、そこがいい悪いの話ではないです。

 

高気密、高断熱にこだわっている工務店さんなのか、と言われたらそうではないですよ、っていうだけの話です。

 

お施主様の要望から提案されたのが、壁90mm厚、屋根160mm厚になったということですが、こちら、勘違いされてる方とても多いです。

 

高気密・高断熱において、断熱材の厚みに触れられる方が多いのですが、めちゃくちゃ性能が変わるかと言われたら、実際はそうではないのです。

 

ただ、今回の質問の様に、夏場の快適性能を上げたいのであれば、標準仕様である屋根の断熱材80mm厚では、薄すぎます。

 

なので、ここはでは最低でも壁の倍、もしくは3倍ぐらいの断熱材が屋根にあれば、十分断熱効果はあるのかなと思います。

 

窓に関しても、ペアガラスからトリプルに変更するということは、もしかすると、YKKAPのAPW430に変更されたのかもしれないですね。

 

合わせてコスト300万程アップで予算的に合わなくて、CW断熱という断熱材に変更するといった策を提案されたという事ですが、まず、ここで大事になってくるのが、断熱材の種類は関係ないという事です。

 

 

 

高気密・高断熱住宅で重要なことは?

 

この文章だけでは分からない所っていうのがやっぱり間取りです。

 

日射遮蔽、日射取得ができる間取り、夏の陽はしっかり遮って、冬の陽はしっかり取り入れるような、そういった間取りになっているかどうか、いう問題の方が重要なんです。

 

間取りありきで、『断熱材に何を使うのか』、『窓をどのレベルまでもっていくのか』といった話になっていきますので、設計の段階で考えておかないと、断熱材をよくしたところで、全く家は快適にならないのです。

 

まずは間取りありきじゃないかなという風に思っています。そういった施工、提案ができるかどうかじゃないかなと思うんですよね。

 

 

 

 

コンセプト(理念)の違う施工会社での高性能住宅の施工は難しい?

 

今回お願いされてる工務店さんのコンセプトが自然素材の家ということなので、多分、高気密・高断熱を売りにしていない工務店さんで頼まれてると思うんですね。

 

ということはですね、確実に無理が生じます。

 

Q値C値1以下の家というのは、すごく性能のいい家なんです。

 

それを、C値1以下の性能を普段とっていない会社さんがやろうと思ったら、かなりいろんなところで無理が生じてくると思います。

 

施工も不慣れでしょうし、気密の取り方といった部分も、本当に分かっているのか、その辺がしっかりできるのかというのが前提になってくるとは思いますが、無理があるんじゃないかなと思います。

 

自然素材の家が得意な会社さんに高気密・高断熱仕様を、された事があれば別ですが、された事のない会社さんに、Q値1以下の性能を求めるというのは、酷だと思います。

 

正直なところ、こちらの施工会社さんに高性能・高断熱仕様を頼むのは、無理が生じると思いますのでオススメはしたくないのが本音です。

 

 

夏場のことだけで言えば、しっかり遮蔽ができているか、南側の窓に光を当てないように庇を出したり、軒を出したりが出来ているかどうか、そういった間取りになっているかどうか。それプラス屋根の断熱は最低200。

 

アクアフォームかアクアフォームNeoがいいのかという部分は、費用対効果や性能の事を考えると、当然アクアフォームNeoの方がいいと思いますが、そこでしっかり熱抵抗値の数値を出してもらって、それとの費用対効果のバランスは工務店さんと相談して頂くのが良策だと思います。

 

最終的に施工されるのは、その工務店さんなので。

 

 

断熱を考える上での優先順位は?

 

 

ただ、僕らが漠然と思うに、屋根の断熱材が80mmだけですと、夏場快適になるのかと言われると、暑いんじゃないかなと思いますので、屋根の断熱材は極力厚くされるのがいいのかなと思います。

 

壁よりも屋根です。屋根を厚くした上で、壁を厚くするのはいいと思いますが、壁だけ厚くて、屋根が薄いとなると、夏場暑くなります。ですので、屋根の断熱を増やした上で、壁を増やす、その方法がコストパフォーマンス的にも一番いいのではと思います。

 

屋根の断熱を増やされる方が施工的にはまだ楽なので、屋根の断熱を先に増やしてから、窓の性能部分にお金をかけるといった流れでもいいのではないかな、と思います。

 

その辺を検討して頂ければと思います。

 

この質問を受けて私が思うのは、施工される前に申し訳ないですが、やはり性能部分に関して不慣れな施工会社さんに、ここまでのレベルを求めるっていうのは正直酷だという事と、性能部分において、あまり過度な期待はされない方がいいという事です。

 

この記事を書いている人 - WRITER -

人気記事Top3 - Popular Posts -

- Comments -

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です